鳥インフルエンザによる鶏卵不足が深刻となってきました。帝国データバンク調べでは、上場している主要外食100社で3月時点では18社が、次いで4月に入ると10社増えて計28社が卵メニューの休止を決めていることが発表されています。価格も1㎏あたりの卸売価格が2022年2月では175円に対し、今年4月には350円(東京Mサイズ)と推移しています。加工用卵の輸入や代替メニューの開発など対応を急いでいますが、在庫確保量が非常に少なく、各メーカーとも昨年実績に対して2~3割減の確保であったり、深刻化しているメーカーからは5割減しか確保できない状況だと緊急連絡が入っています。鶏肉と違い、正常化に10カ月から1年は要するとの見方をしています。卵料理だけではなく、他料理の“つなぎ”に使用したり、菓子類の原料など多岐にわたる食材だけに重大な問題となっています。
このような状況ではありますが、ニッショクとしては食材の安定供給に尽力し、ご要望にお応えしていきたいと考えています。しかし、だからといって「安全・安心」を二の次に考えることはありえません。ニッショクの「安全・安心」へ取り組みは、どのような状況においても継続していきたいと考えます。
【 2022年度 4半期ごと実績 食品検査(自社検査) 】
検査結果より
一般生菌数 : 自社基準値内
大腸菌群 : 1アイテム擬陽性検出
大腸菌 : 自社基準値内 (陰性)
黄色ブドウ球菌 : 自社基準値内 (陰性)
※ 大腸菌群擬陽性について、一時出荷止め措置とし、同一賞味期限のアイテムを外部検査実施(陰性)。工場の製造工程・衛生状態を確認し出荷再開とした。(健康被害等の届け出はなし)
【 2022年度 4半期ごと実績 工場監査 】
年間予定数は70メーカーでしたが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、受入工場と相談の上実施(実施率74.3%)となりました。
新型コロナ感染対策の影響かわかりませんが、どちらの工場におかれても、手洗い・手指消毒、マスクの正しい着用、食事休憩時の黙食など、100%の遵守率でした。
AおよびB評価が全体の94.2%と良好な結果となった。C評価の工場は竣工から25年が経過しており、経年劣化による異物混入リスクから。D評価の工場は品質管理の基礎の定着不十分(教育不足)による。
CおよびD評価の工場については新年度優先的に工場監査実施予定。
外部認証の種類による評価結果の差異は認められなかった。
また、自治体HACCPは自治体ごとのレベル差を想定以上に感じられた。
初回実施メーカーを除くと、「維持」および「改善」されたメーカーが90%と高い水準となった。特に「改善」に結びついたメーカーは、品質担当者による精力的な取り組みが感じられた。
新年度からは、指摘に対する追跡管理を行い、更に改善につなげる働きかけを積極的におこなっていきたい。
2021年6月完全施行となった改正食品衛生法に沿って、HACCPを取り入れた衛生管理が義務化されました。ニッショクでは、規模に関係なく取引メーカー様には外部認証取得を原則義務化とさせていただいています。
厳しいことをお願いしていますが、その結果が2022年度の工場監査評価結果につながったのではないかと考えています。また、今年度は「異物混入クレーム削減」をテーマとして、原料受入から重点的に監視していく予定です。
食品業界においては、原材料費の高騰、エネルギー費の値上がり、また働き方改革を含め物流問題など難題が山積しています。非常に厳しい状況下ではありますが、お客様から求められる「安全・安心」は不変です。
2023年度も、ニッショクは富士産業グループとして、「喫食者の身内のつもりになったサービスの提供」を実現すべく、努力してまいります。
株式会社ニッショク 危機管理本部 品質管理課